ZZR250 フロントホイールベアリング交換

 

特に不具合はありませんでしたが、安い部品だし、走行23000キロの得体の知れない中古車なので交換してみました。使用ベアリングNSK6202DDU(内径15mm外径35mm)(作業実施日2007/12/30))

2011/06/23下記追加あり(ベアリングプラー使用編)

 

「ベアリングをソケットで叩く」について

このページにあるベアリングにソケットを当てて叩き入れる作業ですが、バイク屋さんから「これはNG」と指摘を受けました。ソケットで叩くとアウターレースだけを叩いてしまうので、インナーレースとアウターレースにずれが発生し、間にある球にストレスがかかってしまい転がりに影響が出るとのことです。なので、ソケットではなく専用のベアリングドライバーを使用してインナーとアウターを同時に叩かなければならないとのことです。


 

ホイールの取り外し

 キャリパーを取り外し、ディスク側のクランプボルトを緩めました。メーターギア側のクランプボルトは緩めません。緩めてしまうとアクスルが共回りしてしまい(メーターギアが共回りしてしまい)、メーターギアを破損させます。

 12mmの六角ビットを使用してアクスルシャフトを取り外しました。その後メーターギア側のクランプボルトを緩めてアクスルナットを取り外しました。

 

 

 オイルパン(オイルフィルターのボルトの頭)にジャッキを当て、前輪が地面と軽く当たるくらいまで持ち上げシャフトを抜きました。

取り外したホイール

 

 

メーターギア側

 スナップリングをスナップリングプライヤーで取り外し、メーターギアのレシーバーを取り外しました。

ディスク側

 ゴムのシールをマイナスドライバーでめくるとスナップリングが見えますので、外しました。

 

 

 この作業の本質であるベアリング抜きです。この頃は専用工具を持っていませんでした。

 

 建築工具のアンカーボルトを叩き込み、反対側から長い棒をあて、ハンマーで叩いて外しました。

 

 この写真は、片方のベアリングとディスタンスカラーを外したあと、反対側のベアリングを外爪プーラーで引っ掛けて外したところです。(このプーラーではベアリングは抜けません

 

 

取り外したベアリング

左から

 スナップリング、レシーバー、ベアリング、カラー、ベアリング、スナップリング、シール

 

 

 パーツクリーナーを噴いて洗浄しました。ベアリング取り付けはこちら(座面があるほう)から取り付けます。この部分をヒートガンで加熱しました。

 最初は旧いベアリングを当てて叩きました。座面があるほうは、座面まで叩きいれればいいのですが、問題は座面のないほう(ディスク側)

 

 

 外周と同じ直径(35mm)の24mmのソケットを使用しました。

 

 どこまで叩きいれるかは、中のディスタンスカラーの遊びで判断しました。

 

ディスタンスカラーがカタカタ音を立てるようではまだ叩き入れが不足しています。私は、音がするかしないかくらいのポイントの深さにしています。

 

作業を終えて

 

 8年落ちの走行23000キロでしたが、中のベアリングは見た目は非常に綺麗でした。ベアリング自体は1個500円程度ですので、交換しても損はないと思います。問題は、作業頻度が低いのにプーラーを購入しなくてはならないことしょうか。 

 


 

ZZR250 フロントホイールベアリング交換 SST使用編

 

中古ホイールを入手すると、ベアリングの回りが渋いものに行き当たることがあります。そんなホイールのベアリング交換を効率よく実施するためには専用工具(パイロットベアリングプーラー)が必要だと感じました。使ってみると、あまりのベアリングの取り外し易さにびっくり、これは初めから購入しておくべきだった…と、これまでの作業性の悪さを認識しました。(作業実施日11/03/08)


 

パイロットベアリングプーラーのスライドハンマー付きセット

 8〜32mmの9種類のアタッチメントがあるので、原付から大型まで対応できるようです。スライドハンマーがあればプーラーの足の置き場がないホイールやその他ベアリングにも対応できます。

アタッチメント

 ZZR250のフロントは内径15φのベアリングなので、下から2番目のサイズ(15φ用)のアタッチメントを選択します。

 4分割されている爪の幅は15.3mmでした。これをギュッと押し潰しながら挿入します。

 

 

 押し潰しながら挿入するので、爪がベアリングの内壁で広がろうとする力がかかります。すると、この広がろうとする力で爪がベアリングの面取り部分のわずかな凹みに引っかかり、ディスタンスカラーとの合わせ面に入り込みます。(カチッとした感触で気持ちよく引っかかります。)

 これだけでもわりとしっかり引っかかっていますが、更にニードルのボルトをねじ込むことで爪を内側から広げ、引っかかりを確実なものにします。

 

 

 この状態からのベアリングの取り外しは3方法

1、長いボルト使用し反対側から叩き出す。(サービスマニュアルの作業)

2、スライドハンマーを接続して叩き出す。

3、プラーで引っ張る。

3が一番お勧めです。1、2の叩きの出しの場合は、私はヒートガンでホイールのハブ部分を暖めないと厳しかったです。

プラー使用

 足をしっかり固定し、上部のHEX頭のボルトを締めこむと、ある程度足が張ります。この状態でHEX頭のボルトを回らないように押さえながらナットを締めこみます。

 すると、畑の大根を引き抜くのかのごとく、ベアリングがだんだん浮き上がってきました。

 

 

 あっという間に引き抜くことができました。外れると、このような状態になります。

 ベアリングをアタッチメントから取り外すには、プライヤーなどを使って爪を押し潰す必要があります。

 

 

交換する新品のベアリング

ゴム製シールド接触型のNTN6202LLU

 

モノタロウ(1個274円) 

スーパービバホーム(1個406円) 

ナップス(1個525円)

 

ちなみにNTN製がLLUでNSK製はDDU メーカー違いですがどちらも同じ規格です。

 

 

ベアリングの打ち込み

 フロントホイールのメーターギア側には座面があってそれ以上叩き込めないようになっているので、メーターギア側から嵌め込みます

 ヒートガンは絶対に必要です。そうすれば、軽い叩きでもすんなり入ってくれます。ベアリングの向きは文字を手前にセットします。

 

 

バリオス2のカラーは全長があり、打ち込むときに重宝します。

 ハブの面より深く入れるときは、アウターレースと同じくらいのソケット(このサイズのベアリングであれば直径34mmくらいのもの)をあてがいます。絶対にインナー側を叩いてはいけません。(インナーとアウターがずれてベアリングが壊れます)

メーターギア側を打ち込みました。

 

 

 ディスク側はサークリップを嵌め込む溝の深さをギリギリ確保したら打ち込みをヤメます。失敗して強く叩きいれてしまっても、プーラーでほんの少し引っ張れ修正できます。こんなときもプーラーは便利です。

 クリップを取り付けたところです。(新品使用推奨)。クリップ取り付け溝の深さをギリギリにしていますので、グリスでギトギトのクリップだと入らない可能性があります。

 


追記 バリオス2ホイールのベアリング交換

使用ベアリング リアNTN6203LLU外径40mm 内径17mm

フロントはZZR250と同じ6202LLU

打ち込みは専用ドライバーを使用

 


 

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