ZZR250 エリミネーター250エンジン換装その7 シリンダヘッド

 

このページはシリンダヘッドの組み立てがメインの記録になります。

  


 

バルブのすり合わせ

バルブのすり合わせをしました。

 ストレートで購入したタコ棒とバルブコンパウンド中+細です。

 コンパウンドをバルブの傘に適当に付けて、タコ棒を使って研磨してみました。

 しかし、どうもうまくいきません。タコ棒の吸着力が弱く、途中から吸盤が滑って空回りしてしまうのです。

 鋳物の表面でザラザラしているから吸盤がくっ付かないです。どう対処すれば良いのかわかりませんでした。

 

そこで、やり方を変えました。

 

 バルブをヘッドにセットし、ステムにビニールチューブを被せ適当な長さでカットしました。

これをドリルとフレシキブルな接続をしました。

 

 チューブでつなげれば、ドリルを持つ手が動いても、チューブがフレシキブルの役目をするのでバルブに余計な力は加わらないはず。

バルブは密着させず、このくらい隙間をあけました。

 

 ドリルでバルブを回転させ、指でバルブを叩くように押しつけます。指を離せば、チューブがスプリングの役目をしてバルブが押し戻されるので、また指で叩くように押しつけます。

 

 回転させながら、カン、カンとバルブを叩いて、それを繰り返しました。でも、この方法ですり合わせが成立しているのかわかりません。

こちらは、研磨前の写真です。

 

 光明丹がないので、シャチハタのスタンプ(朱肉色)を代用しました。水っぽく粘り気のないインクで、インクのノリも悪すぎて代用になってない気もしますが…

 

 たくさんパークリをぶっかけた後、できるだけ厚塗りして、何回かスタンプしてみましたが、線がところどころ途切れてしまいます。

研磨後です。線が途切れず一周しました。

 

 この、もの凄くノリが悪いシャチハタのインクで奇麗な輪っかのスタンプが付くということは、ちゃんと密着しているってことになるのかな?

 

 研磨で完璧に脱脂されたからインクのノリが良くなっただけだったりして(笑

左が研磨後、右が研磨前です。

 

 研磨されて銀色の帯がはっきりと現れます。この帯の幅を0.5mm〜1.0mmにすればよいらしいのですが、もともとその幅の帯があったので、出来栄えやどこまでやればよいかなどよくわかりませんでした。

 

 一応、すべてのスタンプが綺麗な輪っかになったのでヤメました。

バルブの組み込み

新品のバルブステムシールを取り付けました。

 オイルを塗ってただはめ込むだけです。嵌め合がキツイ訳でもないです…

 

う〜む、こんなんでいいのかなぁ…

 スプリングの台座(大、小)を取り付けました。大のほうは、バルブガイド部分の溝にピッタリと引っ付いていたので、取りはずしていなかったのですが、1個だけいつのまにか外れていて紛失しました。

 

やはり、ちゃんと外しておいたほうが良いです。

バルブステムにモリブデングリスを塗布しました。

コッターピンを入れているところです。

 

 コツとしては、1個目がきっちり奥まで入ってしまうと、その時点で2個目は入らなくなり、やり直しになってしまうので、バルブステムとスプリングの隙間を、アダプタをグリグリ動かして調整します。

 

 1個目の取り付けが、中途半端に挟まるようにコントロールできれば、2個目も中途半端に挟まるので、コンプレッサーを緩めたとき、両方が正しく収まるようになります。この作業を文章で表現するのは難しいです。

バルブの取り付けが終了したところです。

 

 灯油を燃焼室の窪みに満たして漏れの状況を確認しています。

 

 1時間放置で水位が変化しなかったので良しとしました。こんな判断方法でいいのでしょうか?

 マフラーのスタッドボルトの交換

 同じ型式のエリミネーターエンジンですが、エキゾーストスタッドボルトの取り付け位置とボルト長の違いがあり、これもまたZZR用のものに交換しなくてはならないようです。

 ○印がZZRの位置になります。#2のエキゾーストスタッドは、ちゃんとネジ穴が四隅にあってどちらにも対応できるようになっています。

 とりあえず、浸透性潤滑剤を噴き付けてダブルナットでやってみましたが、ビクともしませんでした。

 ハンマーで叩いてトーチで加熱もしましたが、そもそもダブルナットではネジ山が潰れていくだけで、何の進展もありません。

 

 カブのシリンダースタッドボルトならダブルナットでも抜けるのですが…

SST(ko-kenスタッドボルトプーラー6mm)を購入。

 

 ハンドル(ソケット)を回せば回すほど、爪がボルトのシャフトにガッチリ食い付きます。

 

 プーラーの爪がネジ山にかからないように(中央のシャフト部を噛むように)位置に注意して使えば、

ネジ山を壊すこともありません。ただし下の写真エリミのスタッドボルトのように、ネジ山がない部分が短いと、ネジ山も一緒に噛んでしまい潰れるので取り外し後の再使用ができません。

長いほうがZZR用の新品です。

叩き+加熱+SSTでやっと抜けました。

 

 ダブルナットでのネジ込みは絶対にヤメておいたほうが良いです。ネジ山が壊れます。袋ナットならOKです。

 回せば回すほどネジ込まれてしまうので(たぶんシリンダ内を掘り進んでしまう)、ネジ山がシリンダーから見えなくなるところでヤメました。

 

 

 スタッドボルトネジ込み時のトルクをデジラチェで計測したところ、7〜10N-mくらいでしたので、ロックタイトを塗っておきました。

 

 

 


その1 エンジンの受け入れ〜ヘッドカバーの取り外しまで 09/4/29

その2 カムシャフトの取り外し

その3 シリンダヘッド〜ピストン取り外し

その4 シリンダヘッドの分解清掃

その5 クラッチの分解

その6 左右のカバー〜ピストン〜シリンダ取り付け

その7 シリンダヘッド組み立て

その8 シリンダヘッド〜カムシャフト取り付け

その9 バルブクリアランス調整〜組み立て終了

その10 エンジンの取り外し

その11 エンジンの取り付けと試運転

その12 作業の反省とインプレッション


 

MOTO’sMEMOのページトップZZR250トップエンジンの作業TOPエリミネーター250エンジン換装その7 シリンダヘッド

 

inserted by FC2 system