ZZR250 エリミネーター250エンジン換装その4 シリンダヘッドの分解清掃

 

3333円で落札したEX250EEエンジンの分解作業の続きその4シリンダヘッドの分解・洗浄です。その3はシリンダ〜ピストンを取り外しました。

 


  

手順7 シリンダヘッド分解清掃

エリア別(更に左右別)に部品を保管しました。

 

 1番のエリアの部品(ロッカーアーム、バルブ、スプリング…)は、組むときも1番の場所に組むためです。

 

 他のエリアの同じ部品が混ざらないように部品を整理、保管します。同じ部品に見えてもEXとINでは微妙に大きさや形状が異なっているかも知れないからです。

 

 また、機械のデキが部品同士の微妙な磨耗やクセで成り立っているかも知れないからです。

 ○で囲んだのがロッカーアームです。これを取り外すのはとっても簡単です。

 

ただ、つまめば取れます。

これが、つまんで取り外した不思議なロッカーアームです。

 

 なんと、シャフトなどで固定されてなく、ただ乗っかってるだけです。そして、カムが直接で囲んだ部分を押し、で囲んだ部分がバルブを押します。

 

 反対側下の丸い部分()が「足」です。ネジを回して「足」の長さを調整することがバルブクリアランス調整となります。

 

調整のロックナットは二面幅9mmです。

 「足」の丸い球体部分です。結構磨耗していて、傷が付いています。

 

 カム山がしゅう動する部分だけでなく、ここが磨耗することでもバルブクリアランスが変わります。(足が短くなるイメージ)

 「足」の球体が接地している部分です。当然球体の溝になっています。まるでピロボールのようです。

ロッカーアームを取り外したヘッドです。

 

 ○はノックピンの場所を表示してみただけです。あとでわからなくならないように。

インシュレーターを外すためにバンドを外しました。

 

 固着していたので細いマイナスを入れて、ややこじればインシュレーターは外れました。

 インシュレーターは、「CARB」と刻印があるほうがキャブ側になります。(そのままですね)

 ゴム部品を残らず外しました。洗浄剤にドブ漬けする計画だからです。

 

 カムチェーンガイド上部ボルト取り付け部のOリングを外しました。

 カムホルダ(下側)に何気にひっそりと付いているオイル通路のOリングを外しました。

 

取り外した瞬間ヨレて歪んでしまいました。

ヘッドガスケットを外しました。

 

 ゴムガスケットです。シリコンシーラント(液状ガスケット)でくっ付いています。

 

灯油を塗るとシーラントが溶けてペロっと剥がれました。

エキパイのガスケット(銅)を外しました。

 

 銅ガスケット(シール)は潰れることでシールするので基本は再使用不可です。

 

カブでは再使用してますけど。

 分解している時間の時間節約のため同時進行でカーボンや汚れを落としをしています。

最後はバルブを外しました。

バルブスプリング側

 

アダプタは23mmです。

バルブ傘側

 このくらい縮ませると、印内コッターが自然にバラけるので、ヘッドを逆さまにして振って落としたり、ピンセットで摘出したりして取り外しました。

 

 アダプタの径(23mm)がリテーナの径とドンピシャすぎて、リテーナがアダプター内に圧入(?)されてしまい、いちいち取り外すのが面倒でした。23mmのアダプタでは大きいようです。

 取り外したバルブ、スプリング(大小二重)、リテーナ、コッターです。(カワサキではコッターは“スプリットキーパ”と表現してます)

 

スプリングは上になるほうに塗装がされています。

印オイルシール(バルブステムシール)を取り外しました。

 

 このエンジンのステムシール、スプリングなど使用されずにただ被せてあるだけなので、指でつまんだだけで取れます。

 

 上半分はゴムで下半分が金属で構成されています。このシールは再使用できません。マフラーからの白煙の原因になります。

スプリングシート小、大を取り外しました。

 

取り外したバルブ回りの部品です。

 

 個人レベルでヘッドから取り外せる部品はこれですべてです。

 

 このバルブが収まっている部分(バルブガイド)も分解できますが、内燃機屋さんやバイク屋さんでないとムリです。

 灯油洗浄だけだと、焦げ付いたカーボン落としはこのあたりが限界でした。

 

洗浄剤にドブ漬けで落とすしかありません。

 

 水酸化ナトリウムは油汚れ落としに関しては超強力なので、エンジンのカーボンにも有効かと思ったので…。

 

 ただし、アルミに使うと化学反応を起こしてアルミが溶けます。ピストンには絶対に使えません。

 

※シリンダヘッドもアルミ合金です。使えません。

水溶液は温水1Lにつき水酸化ナトリウム50gで十分です。

 

 漬けてすぐ油に反応して発熱し、煙と泡がブクブクが出てきました。これはいいかも…?

 

 しかし、しばらく放置していると水溶液が墨汁になっていました。むむ、これはヤバイ…?。

 

※ヤバイです。

 とりあえずは綺麗にはなりましたが、塗装も溶けてしまい、ところどころ塗装が剥げてしまいました。

 部分的に、金属が黒く変色してしまったところが発生しました。化学反応?

 

※だから、シリンダヘッドもアルミだっちゅーの。

バルブのほうは、水酸化ナトリウム水溶液でカーボンが完璧に溶解しました。

 

これはOK。

 

かなりバカな失敗について

 

な んかおかしいと思って調べたところ、シリンダヘッドもアルミ(鋳物)みたいです。磁石が付かないので間違いないです。ということは、物理的に溶かしてし まったと思われます。ただ、なんかおかしいと思って早めに救出したのと、バルブガイドとシートは鉄なのと、水溶液の温度が比較的低かったので、アルミ自体 からの気泡は発生してなくダメージは少ないと思います。EX側のカムシャフトが乗る部分はちょっとヤバいかな?

 

09/06/12追記

 結局このシリンダーヘッドは廃棄しました。

内が腐食した部分

 

 カムにモリブデングリスを塗り、部分(排気側)にカムを置いて、手でクルクル回すと、キーキー音がしました。

腐食したカム軸を置く部分

 

 金属表面にオイルが保持されるように加工された細かい目(溝)が完全になくなっていました。強アルカリ溶液で溶けてしまったようです。

こちらはIN側で腐食していないほう。

 

細かい目(溝)の確認ができます。

 


その1 エンジンの受け入れ〜ヘッドカバーの取り外しまで 09/4/29

その2 カムシャフトの取り外し

その3 シリンダヘッド〜ピストン取り外し

その4 シリンダヘッドの分解清掃

その5 クラッチの分解

その6 左右のカバー〜ピストン〜シリンダ取り付け

その7 シリンダヘッド組み立て

その8 シリンダヘッド〜カムシャフト取り付け

その9 バルブクリアランス調整〜組み立て終了

その10 エンジンの取り外し

その11 エンジンの取り付けと試運転

その12 作業の反省とインプレッション


 

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