MT-09 XSR900のスプリング・右ダンパーロッドを流用

 

 XSR900のフロントフォークの中身を入手したので流用してみました。

 2014年式MT-09とXSR900のフロントフォークの異なるところはは、1、スプリングがダブルレートになっていてバネレートがやや高い。2、右側ダンパーの減衰、特に伸び側が相当高い、の2点です。左側のダンパーロッドはMT-09と同様ダンパーピストンが装着されていない減衰力を発生しないものになっています。

 MT-09はスプリングのバネレートが低いのかすぐに底付きしてしまうので、XSR900のスプリングと右側ダンパーロッドに交換して様子をみることにしました。(すでに左側のダンパーロッドは新型MT-09の圧側ダンパーピストン付きに交換しています)

(作業実施日2017/12/07) 

 

2018/1/18追記あり インプレッション・最大ストロークについて


 

XSR900のフォークの中身(09との比較)

入手したXSR900のフォークの中身

 

ちなみに、XSR900とMT-09トレーサーのフロントフォークは全く同じ物です。(品番も同じ)

左:09のスプリング(シングルレート0.75kgf/mm)

右:XSRのスプリング(ダブルレート0.7〜0.85kgf/mm)

 

 XSRのスプリングは09と比べると乗り心地を犠牲にすることなく奥で踏ん張る設計になっています。

 

 それとXSRのスプリングは自由長が長いのでプリロードの調整(サグ出し)をする必要がありそうです。

 こちらはXSR、09両方の左側ダンパーロッドASSYです。どちらも完全に同じ物なのに、(バラして中身も確認しました)なぜか品番が違います。

 オイルロックピース(バンプラバー)は付いていますが、ダンパーピストンが付いていないので注射器の役割をせず、ロッドを上下に動かしても抵抗がまったくありません。

 ですので私のMT-09はこの左側ダンパーロッドを新型09のもの(ダンパーピストン付き)に交換して減衰を高めています。

入れ替え作業

 左右スプリングをXSRのダブルレートに入れ替え、右側に関してはダンパーロッドをXSRのものに入れ替える作業を開始しました。

自作のスプリングコンプレッサー

 

ジャッキの上にフォークを垂直に置き、カラーの穴を左右のボルトで押さえたら、あとはジャッキを上げるだけでロックナットが顔を出します。

ジャッキを上げると・・・

 スプリングが縮んでカラーからロックナットが顔を出しました。

ロックナットを緩めています。

トップキャップが取り外せました。

 アングルで組んだスプリングコンプレッサーと比べて何倍も使いやすいです。

入手したXSR900の純正カートリッジを分解しているところ

新車購入と同時にマトリスを組んだ方からタダでいただきました。ありがとうございます)

スプリングが組まれた状態でしたが、これを使って簡単に分解できました。

中身の交換

 

中身の交換作業のページはこちらに記載しています。

プリロード調整をするためにフォークの最大ストロークを調べる

 サグ出し(プリロード調整)を行う前にMT-09のサスストロークを正確に測ることにしました。

 

 スプリングを抜いた状態にしてフォークを組み立てて調査。

 まずこちらは一番伸ばした状態。見えているインナーチューブは139mmでした。

次は一番縮めた状態

 オイルロックピースのバンプラバーが底付きしている状態なのでこれ以上縮みません。この状態で見えるインナチューブが下から14mmでした。(実際MT−09はこの位置まで簡単に沈んでしまいます)

 

 サスストロークは139-14で125mmということがわかりました。

 ということは、1Gダッシュの沈み(静止状態でライダーがまたがったときのフォークの沈み量)を1/3とすると、125÷3で41.6mmということになります。

フロントのサグ出し(プリロード調整)

 サグ出し(プリロード調整)をするので前後スタンドアップして前後サスペンションが一番伸びている状態にします。

 ライダーがまたがった時、上から1/3の部分(41.6mm≒42mm)までフォークが沈むようにプリロード調整するのでマーキングしました。

 

 タイラップを巻きました。

 まずはプリロードを最小(取説で記載されているところの19mm)に合わせ、 スタンドを外してオートバイにまたがりました。

 42mmをオーバーしました。

 1Gダッシュで42mmの沈みになるようにプリロード調整をしました。

 そのときのプリロードは取説で言うところの15mmになっていました。(体重70kg)

インプレッション

 右側はXSRの伸びダンパー、左側は2017MT09の圧ダンパー、スプリングは0.85kgf/mm(K2)なり、ワイズギアのKYBフロントフォーク装着車と乗り比べてみましたが、非常に近い感じです。

(MT-09の右ダンパーを左右に組んでダブルにしたこともありますが、それより右側にXSRダンパー1本のほうが減衰が効いてる感じです。MT-09の伸び側を最強したのとXSR900の標準が同じくらいです。)

 

追記 サスペンションストロークは137mmではない

追記

サスペンションストロークについて

 

こちらはダンパーロッドを一番伸ばした状態

オイルカップ底からバンプラバーまでの距離は125mmなので実質のサスペンションストロークは125mmです。

このバンプラバーを取り外せばサービスマニュアル記載の137mmとなります。

 


 

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