ZZR250 キャブレター点検と同調 |
このZZR250は導入時からアイドリングがやや不安定です。(エンストするほどでもないですが) とりあえずキャブレターの調整(同調作業)をしてみました。(作業実施日09/09/03)
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同調を取る前に、他の要因でアイドリングが不安定になっている可能性もあるので、キャブレターの点検をしました。 | |
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スタータプランジャ(チョーク)の点検 1、滑らかに作動するか?(スムーズに動き、スプリングの力で戻るか?) 2、○印シールが劣化していないか? |
フロートバルブの状態を点検 1、○印ニードルの三角錐部分に傷・溝・段付きがないか目視。 2、○印のロッドを押して、スムーズに動き、スプリングの力で戻るか? |
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スロットルプーリーの状態を点検 1、滑らかに動きスプリングの力で完全に元に戻りっているか? 2、全開にしたとき、バタフライバルブが90度になっているか? |
パイロットスクリューの状態の点検 1、○印テーパー状先端部に汚れ、損傷がないか? 2、○印Oリングが潰れてないか? |
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SJの点検 目視で点検してもよくわからないので、充分にキャブクリに浸し、その後エアーで清掃。中心の穴が貫通しているのは確認 |
バキュームピストンの状態を点検 1、滑らかに動くか? 2、ダイヤフラムに破れ、穴がないか? 3、取り付け時にはみ出しがないか? |
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目視での同調(左右バタフライの隙間の点検)
光にかざして比べてみると、かすかに1番のほうが大きく開いていました。今回は、この時点では隙間は合わせてません。 | |
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パイロットスクリューは左右とも標準値(1+3/4回転)に合わせました。 (注)1と3/4戻しは規定値ではなく標準値です。戻し回数はキャブレターによって異なるので、“とりあえず1と3/4にする”ことによってアイドリングが不調になることがあります。
本来PSは、エンジンをかけた状態で様子を見ながら調整するのですが、このキャブレターはその方法で調整するのは不可能だと思うのです。(キャブヒーターの配管が邪魔でドライバーが入らない)
SMには、下の工具を使用している写真があります。もしかしてPS調整時はキャブヒーターのT字の配管を引き抜くのかな? | |
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なので、未だにコレを使ったことがありません。 | |
4連7ミニバキュームゲージ(ストレート) | |
バキュームゲージ 2気筒ならシングルのメーターに切り替えバルブ使用で測定できますが・・・ | |
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バキュームゲージとキャブレターの接続は、○印と○印のホースを外し、そこにメーターのホースを取り付けるだけです。 同調(左右のバタフライの開度調整)は中央の+ネジを回して行います。 |
バキュームゲージ接続のイメージです。 ○印(2番)側がタンクのコックに接続される負圧、○印(1番)側がエアカットバルブに接続される負圧になります。 |
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キャブレターを取り付けました。
ガソリンタンクの代替は、底部に空気穴(○印)をあけたジェットオイラーを使用しました。
この状態でアイドリングさせ充分に暖気しました。コックに接続する負圧ホースは栓をして塞がないとエアを吸ってしまうのでアイドリングしません。 | |
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バキュームゲージを接続し、針の数値を確認しました。
調整前(3500rpmで計測)
右(1番)ほうが負圧があります。これはやはりバタフライバルブが少し開いているから?マニュアルの基準値は、左右差が“2CmHg以内”となっているので、ギリギリ基準値だったようです。 | |
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調整後(3500rpmで計測)
同調のアジャスタースクリューを回して、できるだけ左右の差が発生しないように調整しました。 |
作業を終えて
もともと、基準値を超える差異がなかったためか特に何も変わりません。アイドリングは、スナッピング後1500rpm、しばらくすると1000rpmまで落ちることもあり、エンストすることはないのですが、やや不安定です。次回はキャブヒーターのT字配管を取り払い、温水なし仕様にして、アイドリング状態でパイロットスクリューを調整してみます。