MT-09 XSR900のクラッチに換装(スリッパー化)

 

 

同じエンジンを搭載する新型車【XSR900】にアシスト&スリッパークラッチが採用されました。同じエンジンですからMT-09にもそのまま流用できるはずと思い、情報もないままにとりあえず交換してみました。(スチールプレートの厚みの選択についてはあまり自信がないので、参考程度でお願いします)(作業実施日2016/5/15) 

 


スリッパー化で交換・追加したパーツ

 B90-16371-00 クラッチボス

 B90-16350-00 プレッシャープレートアセンブリ

 

 

 左1TD-16384-00 プレートシート

  右1TD-16383-00 プレートスプリング

 B90-16331-00 フリクションプレート3枚

 

 

 

 1TD-16324-00 ディンプル加工されたスチールプレート

 1TD-16178-00 アブソーバー(ゴムダンパー)3個

 

 

 B90-16173-00 クラッチスプリング3個

 2CR-16173-00 クラッチスプリングのボルト3個

 

 

 

 B90-16352-00 プレート

 1RC-15461-00 クラッチカバーのガスケット

 

 

 

結局使わなかったパーツ

 4B1-16325-00 スチールプレート(2.3mm厚)

 4B1-16324-00 スチールプレート(1.8mm厚)

 

 

 

スリッパークラッチの仕組み(イメージ)

 駆動をかけるとクラッチプレートを押し付ける力が発生する。なのでプリロード(スプリング)は弱くても構わない。故にクラッチが軽くなる。駆動をカットすると(エンジンブレーキ時では)逆の動きをしてプレートがせり上がり圧着が弱くなるので、回転を合わせない無理のあるシフトダウンをしても一瞬クラッチが滑りタイヤがロックしない。

 駆動をかけると押し付ける仕組み(スラントが付いている)

 

交換作業

※使用するスチールプレート8枚のうち、2枚で厚みを調整するようです。(1.8mm 2.0mm 2.3mmのうちどれかを選択し、トータルのプレートの厚みを調整する) 私は2枚とも2.0mmを使用しましたが、それで良いのか自信がありません。

 サイドスタンドで作業すればエンジンオイルを抜く必要がありません。(俄然やる気が出ます)

 カバーのカバー(?)の取り外し

 プルレバーの取り外し

 クラッチカバーの取り外し

 

 まだ新しい車両だからなのか、ダウエルピンが変形しない強度があるタイプだからなのかわかりませんが、すんなり取り外せました。

 プレッシャープレートの取り外し

(均等に緩める)

 プレッシャープレートを取り外したところです。

 フリクションプレート、スチールプレートを取り外しました。

 クラッチボスナットのリブ(回り止め)を起こす。ナットの二面幅は30mmです。

 クラッチホルダー

 インパクトレンチでボスナットを取り外しました。

 取り外したクラッチボス

 

 プレートの爪痕はありますが、酷い段付きはありませんでした。

 B90-16371-00 クラッチボスの取り付け

 締め付けトルクは125N-mですがインパクトレンチを使用しました。(カシメ痕とシャフトの凹部が合うように締め付ければ元通りの締め付けトルクになるので)

 その後再び叩いてカシメました。

 1TD-16384-00 プレートシート(矢印)の取り付け

 1TD-16383-00 プレートスプリングの取り付け

 

 向きがあります。

 プレート1枚目 B90-16331-00 フリクションプレートの取り付け

 

 新品の部品にはエンジンオイルを塗布しています。

 2枚目 5YV-16325-00スチールプレートの取り付け(使いまわし)

 

 裏表があるので注意(エッジが丸く加工されている方がエンジン側)

 3枚目 5TA-16321-00フリクションプレートの取り付け(使いまわし)

 

 以下2枚目と3枚目のプレートを4回繰り返します。

 そして、フリクション/スチールプレート合わせて12枚目に問題の厚み調整をするスチールプレートの順番になります。

 

 とりあえず、5YV-16325-00(2.0mm)を装着してみました。

 13枚目 5TA-16321-00フリクションプレートの取り付け(使いまわし)

 14枚目

 ここも厚み調整するスチールプレートですが、とりあえずここも5YV-16325-00(2.0mm)を使用しました。

 15枚目

 B90-16331-00 フリクションプレート

 16枚目はディンプル加工されたクラッチプレート(1TD-16324-00)になるのですが・・・

 先にラスト17枚目のB90-16331-00フリクションプレートをB90-16350-00プレッシャープレートアセンブリに取りつけて・・・

 16枚目の1TD-16324-00ディンプル加工プレートを取り付けた状態にしてから・・・

 B90-16350-00プレッシャープレートアセンブリを取り付けると各プレートの取り付けは完了です。(最後の1枚だけは他のフリクションプレートと爪の位置がずれます)

 1TD-16178-00 アブソーバー(ゴムダンパー)3個の取り付け

 B90-16173-00 クラッチスプリング3個の取り付け

 スプリングに上下はないようです。

 B90-16352-00 プレートの取り付け(締め付けトルク10N-m)

 

締め付けは均等に。

 ガスケットはケチらず新品を使用

 そして、実はこれが一番の難関な作業のクラッチカバーの取り付けです。

 

 中央のプルロッドをカバーの穴(スプライン)に嵌めるのですが、見えない!

 

 プルロッドの歯面の向きを点線で示した孔に合わせてから取り付けるのですが、とにかく見えないので、付くか付かないかは「運」です。私の場合は1/10の確率です。(笑)

 プルレバーの取り付け

 純正品に戻しました。

純正アシストスリッパークラッチ インプレッション

1、クラッチが軽くなった。

Ninja250Rと同等です。

 

2、発進時の半クラのつながりがスムーズになった。

MT-09はわりと「トン」という感じで唐突につながっていましたが、それがマイルドになりました。リアブレーキをかけながらの超ノロノロ半クラ走行や発進と同時のUターンがやりやすくなりました。

 

3、シフトダウンのショックは?

正直わかりません。(そもそもシフトダウンは回転を合わせているので)  回転を合わせている限りはあんまり変化はないような感じです。(5/24追記、改めてノーマルMT-09と乗り比べてみましたら全然違いました。シフトダウンでクラッチをポンと離してマイルドにつながります。2速→1速へのシフトダウンはさすがに回転合わせる操作が必要ですが、わりとラフに行ってもスムーズに決まります)

 

ズバリ、お奨めできるか?

自分で作業するならば絶対お奨め!(パーツ代は25000円程度です) 

 

追記(スチールプレートの厚みついて)

XSR900のマニュアルにはトータルの厚み(全てのフリクションプレート+スチールプレートを重ねた合計)が42.7〜43.5mmになるようにという基準があります。

 


 

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