KSR110 クラッチディスクの交換 |
中古で入手した2006年式KSR110のクラッチ修理です。現状販売で入手したKSR110にはタケガワ製油圧クラッチキットが付いていたのですが、走行中突然クラッチレバーの手応えが無くなって切れなくなったり、クラッチが滑ってエンジン始動が困難(キックするとガリガリと滑って空回りする)という状態になるので、さっそく作業をしました。(作業実施日2017/8月) (このオートバイはキックでクラッチを回す仕組みになっており、キック→クラッチ→遠心クラッチ(ワンウエイ)→クランクシャフトと回転が伝わります。そのためクラッチが滑るとキックの回転が伝わらなくなってエンジン始動が困難になります。ちなみにマニュアルクラッチキット装着車がクラッチを切ってキックすると空回りするのはこの仕組みによるものです)
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タケガワ製油圧クラッチのフルード交換 |
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走行中クラッチレバーがスカスカになりクラッチが切れなくなるトラブルです。しばらくすると直るので、熱を持つとエアが発生するようです。フルードを点検すると、何じゃこりゃ?の完全な灰色になっていました。液の性能が低下していたのが原因のようで、交換すると不具合は解決しました。
武川油圧クラッチのフルード交換は、マスターにブリードプラグが付いているのでそこから注射器などで吸い上げて交換します。特に難しいことはなく、吸えるだけ吸い上げたら新しい液を入れ、それを何回か繰り返し、納得行くまで液を入れ替えたら、エンジンをかけて振動させながらレバーをニギニギすればいずれエアは抜けます。 |
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クラッチカバーの取り外し |
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エンジンオイル排出 |
キックペダルの取り外し 元の位置に取り付けできるように印を付けました。 |
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ステップバーの取り外し 片側は緩めるだけでも可 |
ブレーキペダル・スプリング・ブレーキスイッチスプリングの取り外し |
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マスターシリンダの取り外し |
クラッチカバーの取り外し A6型はプラススクリューなので工具や手順等しかるべき方法で扱わないと外れません。2番のドライバーで普通に回すと外れないばかりか、最悪ドリルの出番になります。 |
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クラッチカバーを取り外したところです。遠心クラッチとチェンジ関係の部品が撤去され、替わりにシャフトのようなものが付いています。 |
油圧クラッチのピストン・シリンダはクラッチカバーに付いたままでOKです。カバーを外したらオイルスクリーンの清掃を実施。 |
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クラッチアセンブリーの取り外し |
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スプリングボルトの取り外し 標準はスプリング4個です。空いているところに追加して6個にすれば圧着力を強化することもできます。 |
スプリングプレートを取り外したところです。(ノーマルクラッチの場合はプレートの真ん中にあるプッシュロッドはありません) |
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スプリングの取り外し |
センターナットの取り外し(インパクト) |
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クラッチアセンブリーの取り外し ハウジングも含めとりあえずセットでごっそり取り外します。(ハウジングを取り付けた状態だとディスクの交換(組み立て)ができないので) 遠心クラッチ(マニュアルではプライマリクラッチ)が装着してある場合は遠心クラッチも一緒に取り外す必要があります。 |
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クラッチディスクの交換 |
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ディスクを取り外しました。 |
クラッチディスク/スチールプレート 厚みは限度以内でしたが、焼けが激しい |
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新品のディスク(スチールプレートは再使用) |
組み立て フリクションプレートから始めて爪の位置を揃えてクラッチハブに積み上げて行きます。 ・エンジンオイル塗布・放射状の溝が回転方向を向くように |
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ディスクをすべて重ねてクラッチホイールを被せ、サンドイッチ状態にしたところです。 |
サンドイッチ状態にした部品が崩れないように注意しながらクラッチハウジングに取り付け、一番上のディスクだけ爪の位置をずらします。 |
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クラッチアセンブリーを取り付けました。 |
定番のクラッチ強化(スプリング2個追加) どうも使用するオイルによってはキック時にクラッチが滑るという情報があり、その場合スプリングを追加して強化すれば対策になるとのことです。 |
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スプリングの取り付け |
スプリングプレートの取り付け 均等に締め付ける |
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クラッチカバーのボルトはフランジ付きの2013年式PROの物に変更しました。 |
完了しました。キックの滑りは完全に無くなりましたが、クラッチが硬くなってしまい不満です。 |
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上記のクラッチを交換してから2000km程度走行したときのことです。よくこのバイクでバーンナウトやウイリーなどエクストリームのまねごとで遊んだりするのですが、やってる最中に急にクラッチが滑り出し、その後あっという間に発進すらできなくなってしまいました。キックも空回りしてエンジンをかけることもできません。さっそく分解してみたところ・・・・ |
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エンジンオイルがドロドロしており、クラッチカバーを取り外した瞬間物凄い異臭でめまいがしそうな状況です。とりあえず1次クラッチ、2次クラッチを取り外したところです。 |
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・・・・・ |
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なんじゃこりゃー |
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フリクションディスク5枚あるうちの2枚は摩擦材が完全に無くなっており、粉末になってエンジンオイルに溶け込んでいました。 |
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残りのディスクもボロボロでダメになっていました。 |
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スチールプレートもレコード板模様になっており全滅 |
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という訳で、全プレートを交換して修理しました。 わかったこと。このバイクはクラッチに負荷をかけることなかれ。バーンナウトは特にダメです。 |
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