CBR150R FIとは?(部品の入手は?バイク屋さんの対応は?)

CBR150R/125Rとは

 2004年からタイホンダが製造するCBRシリーズで、同じ車体に150ccと125ccの二種類のエンジンが搭載されるモデルです。小型バイクのグローバルモデルが同じ車体に125ccと150ccバージョンがあることが多いのは、輸出国の免許制度や税制上の都合に合わせたもので、主にヨーロッパと日本は125cc、アセアン地域は150ccとなって販売されます。日本国内でも150ccの需要があればPCXのように125ccと150ccの両方が正規モデルになることもあります。CBR150R FIは2010年〜2015年式のCBR150Rを指します。(輸入するエンデュランスがその前のキャブモデルと差別化するために「FI」を付けた名称で販売していた)

希少な小排気量DOHC4バルブエンジン
 125ccの単純なボアアップで150ccにするのが多い中、CBRの場合125ccはOHCですが150ccは専用ヘッドでDOHCになっています。単純なボアアップの場合、例えばPCXだと125ccが12馬力で150ccが15馬力と出力25%アップですが、CBRは125ccが13馬力なのに対し150ccは17.8馬力と37%アップとなって差別化されています。またミッションもギア比を変えて専用セッティングされています。このDOHC150ccはCBR150Rの他にもアンダーボーンフレームモデルのソニック150Rにも使用されています。

部品の入手について
 タイホンダ純正部品はCBR150Rキャブモデルでもまだ100%部品が出ます。部品の注文はタイカラというタイバイク純正部品通販サイトが便利で、パーツリストが公開されているので部品番号を調べてメールで注文できます。タイカラで注文した場合は部品が届くまで約一週間くらいです。よく並行輸入モデルは部品で苦労するから買ってはいけないなど言う人がいますが、タイホンダの製品に限っては苦労しません。

国内CBR125Rと共通部品多数
 CBR150R FIは2011〜2013年式国内CBR125Rと車体が共通なので、エンジン部品以外はほぼCBR125Rのホンダ純正部品が使えます。なので共通部品はウェビックやモノタロウなどで注文すれば余計な送料がかかったり輸送待ちになったりしません。もしかしたらCBR150R FIは国内非正規モデルの中で一番部品の入手が容易なモデルかも知れません。車体色がトリコロール(ベース白)か黒ならば外装もCBR125R(トリコロールor黒)と同色です。(デカールだけ送料300円でタイカラで注文)

バイク屋さんの対応
 バイク屋さんは部品を発注する仕組みが決まっています。タイホンダの部品を発注する仕組みがないバイク屋さんでは修理をしてくれないことがあります。これはYSPでホンダのバイクを修理しないのと同じことです。タイホンダの新車を販売しているバイク屋さんならばタイホンダ部品を扱う仕組みができているので修理してくれます。整備・修理作業に関してはタイホンダも国内ホンダも違いはありません、要はそのバイク屋さんがタイホンダの部品を仕入れてくれるかどうかです。メーカーを問わない中古バイクを販売するバイク屋さんならば、部品の仕入れに垣根はないと思われます。

CBR125R(JC50)と違うところ(※キャブモデルに関しては私は知識がありません)
 エンジンが違うのでエンジン部品が共通してない物が多いのは想像できますが、共通してそうで意外と共通していないモノがあります。
1、リアハブとリアスプロケット
 ホイールは同じなのにハブが違います。(ハブのスタッドボルトのPCDが違う)なので125のリアスプロケットは装置できません。また125は44丁で150FIは43丁が標準です。

2、チェーンリンク数
 125(JC50)は128リンクで150FIは126リンクです。キャブモデルよりチェーンが長いのはスイングアームがロングになったため。JC50と150FIのリンク数の違いはスプロケットの1丁違いが要因なのですが、これによってJC50はチェーンに余裕があるのに対し150FIは標準でホイールがかなり前の方に取り付けられていてチェーンに余裕がありません。なので150FIはスプロケットを小さくする分にはチェーンリンク数変更なしでいくらでもできる感じですが、大きくする方向には1丁増しすらできません。

3、1次減速比といくつかのトランミッションのギア比

 どちらも小排気量なのでショートなギア比ですが、125(JC50)は全体がローギアな上に特に1速がかなりショートになっています。

CBR150R FI
1次減速比3.261(75/23)
一速3.083 (37/12)
二速1.941 (33/17)
三速1.500 (23/20)
四速1.227 (27/22)
五速1.041 (25/24)
六速0.923 (24/26)


125(JC50)

1次減速比3.350 (67/20)
一速3.454 (38/11)
二速1.941 (33/17)
三速1.450 (29/20)
四速1.173 (27/23)
五速1.041 (25/24)
六速0.923 (24/26)


4、ヘッドライトバルブのW数

 どちらも通常のH4ですがJC50は60/55Wなのに対し150FIは35/35Wのバルブが入っています。しかしステーターコイル・レギュレーター・バッテリー等すべての充電系のパーツはJC50と共通なので150FIにも60/55Wを使用してもまったく問題ありません。バルブのW数が違う理由は国内・ヨーロッパでは55Wがスタンダードですがタイでは35Wのバルブの方が汎用性があるからということらしいです。


5、車重

 当然車重は違いますけど2kgの違いです。(装備重量JC50:136kg 150FI:138Kg) というのは、エンデュランスが掲載するCBR150R FIのスペック表には装備重量138kgを乾燥重量138kgと誤って記載し、しかもそれをそのまま何年も販売終了するまで直さないでいました。それまでのキャブのCBR150Rの乾燥重量が115kgだったので、FIモデルになって23kgも重くなったと勘違いしている人が多い模様です。


 

CBR150R/125R 年式別の特徴

 

初期型(2004~2009年)型式150:NCB150/125:JC34(キャブレター)

 2灯の派手なカラーリングの細いカウル、80-90/17 100/80/17の細いタイヤ・・いかにもアジアンバイクという風体。エンジンやスペックは良いのだけどこのデザインは日本では受けなかった。いや、そもそも150ccという排気量は日本では見向きもされない。一方の125キャブモデルは2004~2007年まで販売され、2008年には125だけ先行してFI化された。150はタイから直接輸入するが125のJC34/39はタイ→ヨーロッパor北米と経由して日本に輸入するため150より高価になり流通は少なかった。日本国内では150はサーキット入門用マシンとして一部需要があり評価が高い。CBR150Rの中ではBT39SSが履けてレブリミッターのない初期のキャブが一番速いとされている。


 

希少アッパーカウルのJC39型(2008~2009年)

 125だけ先行してFI化され北米・ヨーロッパで販売された。(同時にアッパーカウルのデザインが当時のCBR600風に変更される)しかし相変わらず細いカウル・細いタイヤのままなのでアジアンバイク風味は変わらず。1年間のみしか販売されなかった非常に希少なモデルだが、FI化された125ccのエンジンは後のJC50で継続して使用することになる。

中期型(2010〜2018年)型式150:CS150R/125:JC50

 FI化すると共に今までのCBR150Rがかすんで見える程存在感のあるデザインにフルモデルチェンジされCBR150R FIという名称で販売された。ボリュームのあるVFR系1灯カウルは上位モデルのCBR250R(MC41)と同じデザインとし、スイングアームはロング化されタイヤも太くなり真のグローバルモデルとなったと言える。125ccバージョン(JC50)は2011年に国内正規モデルになって2013まで販売され、ヨーロッパでは2019年現在まだ販売されている。そのおかげでパーツの入手が容易である。150ccバージョンはインドネシアホンダでは2014年に2眼・リンク付きリアサスにマイナーチェンジして2016年まで販売しその後現行型へフルモデルチェンジ。タイホンダでは1眼のまま2018年まで継続して現行型へ移行。

 ここからは個人的な意見だが、とにかく軽いので17馬力でも十分楽しい。直付けのリアサスもまったく気にならないしブレーキも良く効く。OHCの125とは違い7000回転からギュイ~ンと力が出るのでレブリミッターが作動するまで回してしまいがち。17インチ最高の練習マシン(?)。

現行型(2016年〜)150のみ(125はなし)
 インドネシアホンダでフルモデルチェンジでフレームを刷新、リアサスもリンク式が奢られエンジンは若干の改良が施される。
 前モデルのツアラー系デザインから現行CBRっぽいスーパースポーツ系になり更に存在感が出た。このモデルから125仕様は消滅している


 

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